実現できる間取りは予算次第

・どこにこだわり、どこを妥協するか
全国的に注文住宅の建築費用（土地代を含まず、建物のみの費用）は３３００万円程度とされています。
もちろん、広さや施工する住宅メーカーにより相場は異なりますが、予算ごとに実現できる間取りや設備は異なります。
例えばドアノブ一つ、ユニットバス一つにも価格はあり、それらを組み合わせて間取りをデザインするにも費用がかかるからです。

大まかに言えば、平均予算を上回れば余裕のある設計ができるということになるでしょう。
そうでなければ、どこかに妥協をしつつ間取りを決めていく必要があるかもしれません。

・生活から逆算して計画を
やや大雑把な言い方になりますが、予算ごとに建てられる住宅を見てみましょう。
例えば１０００万円台以下の場合は、ローコスト系のメーカーが中心になるので、基本的には「現代風のAタイプ」「北欧風のBタイプ」といった、シンプルな間取りでコストを抑えたモデルから一つを選び、自分のこだわりに応じてアレンジするのが一般的でしょうか。
２０００万円台の家は比較的、自分の希望を間取りに反映させられるようになります。
１０００万円台以下の家が、ほぼ必要最小限の家だとすると、そこに自分のこだわりに応じて特定の部屋を広くしたり、設備をグレードアップしたりできます。
ただ、やりすぎると予算を超えてくるので気を付けましょう。

３０００万円台以上になると、コスト的にだいぶ余裕ができ、選択の幅が広がります。
壁紙や床材など、それ以下の価格帯の住宅では標準化されていた部分をゼロベースで選ぶことも可能です。
例えば床材は無垢材もあればクッションフロアもあります。
そうした選択肢を一つ一つ楽しめるのが、この価格帯の家です。
中でも４０００万円台を超えてくると、間取りの自由度も格段に上がります。
中庭を設けてシンボルツリーを植えたり、一部を３階建てにしたり、大きな屋根付きテラスを設けたりもできます。
いずれの価格帯にしろ、大切なのは「どんなことをしたいか」「どこまでなら妥協してもいいか」といったところを突き詰め、求める生活から逆算して間取りを考えることでしょう。